安保法案 違憲性を無視する日本は「法治国家」でない?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年7月16日、衆院本会議で可決された安保法案(安全保障関連法案)に関する違憲性について調べてみた。

↓日本国憲法 抜粋
憲法9条

「安保法案」とは「集団的自衛権」とは

この安保法案の内容については、「安保法案とは、そもそも何? わかりやすく解説【今さら聞けない】」でわかりやすく説明されているので、参照されたい。

スポンサーリンク

さらに補足すると、「集団的自衛権」とは、ある国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていない第三国が協力して共同で防衛を行う国際法上の権利のこと。例えば、アメリカが攻撃された場合に日本が攻撃されていなくても協力する、つまり日本が海外で軍事活動をするということである。

安保法案の違憲性

採決に先立ち、6月4日の衆院憲法審査会で各党推薦により参考人として国会に呼ばれた憲法学者3人は、下記のように、そろって「安保法案は憲法違反だ」と断言している。

自民・公明両党推薦の長谷部恭男・早稲田大学教授
「集団的自衛権の行使は、個別的自衛権のみ許されるという憲法9条に違反する」

民主党推薦の小林節・慶応大学名誉教授
「憲法は海外で軍事活動をする法的資格を与えていない」

さらに、小林節教授によると、日本に憲法学者は何百人といるが、違憲ではないという学者は2、3人で、「違憲とみるのが学説上の常識だ」ということである。

維新の党推薦の笹田栄司・早稲田大学教授
「これまでの定義を踏み越えてしまっており違憲だ」

学者としての良心に沿って「違憲」と明言された上記3先生方、とりわけ自民党推薦の長谷部教授に敬意を表したい。

違憲ではないとする政府見解の矛盾

上記のように、与党推薦の学者からも安保法案は明確に違憲と指摘されたにもかかわらず、政府は6月9日、「憲法違反ではない」という見解を発表した。その理論的な根拠として、1967年の最高裁の砂川判決と1972年の自衛権をめぐる政府見解を挙げている。

ところが、最高裁の砂川判決では、個別的自衛権を認めただけで集団的自衛権についてはひと言も触れていない。

さらに、最高裁の砂川判決は、当時の田中耕太郎・最高裁長官が事前に駐日米大使と会って、「(「日本政府がアメリカ軍の駐留を許容したのは、戦力の保持にあたり違憲」とする東京地裁伊達判決に対し)全員一致で逆転判決を出しますから」と約束したという事実が、米国の公文書から明らかになっており、米国の圧力により結論を事前に決めていたという、審議過程に問題のある判決である。

また1972年の政府見解にいたっては、「集団的自衛権の行使は憲法違反」と明確に指摘している。これは戦後の日本政府が終始一貫とってきた見解で、安倍政権の安保法案は、自民党の長年の公式見解をも突然覆したものだということである。

違憲性無視を重大視する理由

たとえ自衛のための戦争であっても、戦争を認めるかどうかというのは、国家観・倫理観・死生観・宗教観・良心などに関わる重大な問題である。

「国家観」というのは例えば「守るべきとされる『国』とは何か」という論点、「倫理観」というのは例えばインドのマハトマ・ガンディー卿のような非暴力の決意という選択肢もあるということである。

政府は、さしづめ自衛のための戦争を可能にしようとしているわけだが、では「守るべきとされる『国』とは何か」という基本的論点も明確にされていないように思う。

仮に政府が守るべき「国」を「領土と国民の生命」であると定義づけたとしよう。では今度は、「領土と国民の生命」を守るためになぜ海外で戦争することが必要なのか説明を求めたい。

さらには、海外で戦争するとなれば資金が必要になるわけだが、その資金はどうやって調達するのか?が明確にされていないことも付け加えておく。

「守るべき国とは一体何なのか」「それを守るために戦争という手段を選ぶのか」という根本的な論点が、国民の中で自由に討論された後に、最終的に国民の意思を問うために、然るべき手続きを踏んで憲法改正の投票を行うというのであれば、筋は通っていると思う。

安保法案の違憲性を看過できない問題として重視しているのは、合憲性が問われるほどの重大な問題について、国民の合意を問うことなく、自衛のための戦争を行うことを前提として決めてしまっていることに対する強い抗議である。

前述のように、他国からの圧力で最高裁の判決が決められるということが過去に起きているわけである。今回、違憲と指摘されていることを政府が強行するということが起きれば、日本は事実上「法治国家」ではないというレベルなのではないだろうか?

そのうちに、政府の見解に異議を唱える学者・マスコミ・個人を粛清する暗黒時代に転げ落ちていかないよう願っている。

↓記事拡散よろしくお願いします。^^↓editor
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

スポンサーリンク

スポンサーリンク

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

QLOOKアクセス解析