胃がん検診改定 早期発見にピロリ菌ABCスクリーニング導入を!

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厚労省の有識者検討会は7月30日、がん検診改定への提言をまとめた。

これにより、市区町村が実施する胃がん検診について下記のように変わる可能性が高くなった。

  • 対象年齢が40歳以上から50歳以上に引き上げられる
  • バリウムを飲むX線検査か、内視鏡検査かを選択できる
  • 検診間隔は1年に1回から、2年に1回になる

国立がん研究センターが4月に公表したガイドラインで、胃がんの内視鏡検査の対象は50歳以上が望ましく、受ける間隔は「2~3年に1回とすることが可能」とされており、今回の厚労省検討会の提言は、これに沿ったものである。

検診の実施指針改定を予定している厚労省がん対策・健康増進課は、「学会などの様々な意見も含め検討している」と話すが、今回の改定案については、医師等からも「胃がんの発見が遅れるのではないか」との声が上がっている。

指針が改定された場合、早ければ来春の検診から導入される。

国立がん研究センターは、2015年の胃がんの推計症例数を、13万3,000例と予測している。

一方、厚労省ホームページで公開されている統計によれば、平成24年度の市区町村がん検診受診者のうち「要精密検査」とされ、精密検査を受けて「胃がんであった」のは2,553人である。

バリウム検査では早期発見が難しい

年間1000万人以上が受けているバリウム検査については、下記のような問題が指摘されている。

バリウム検査は、X線画像のシルエットに現われる凹凸で、がんを見つけ出すのだが、ある程度進行しないと凹凸が出ないので、早期発見が難しい

胃がんの早期発見と予防に役立つ検査

では、胃がんの早期発見や予防を期待できるのは、どんな検査なのだろうか。

ピロリ菌検査と除去

2013年12月、WHOがん研究機関・IARCの会議で世界の胃がん研究者たちが議論を重ねた末、IARCは「ピロリ菌のスクリーニング検査、および除菌治療を行うことを推奨する」との勧告を発表した。

この会議に専門委員として出席した浅香正博医師(北海道大学特任教授)は、次のように述べている。

私は現在のバリウム検査が有効だと考えていません。50年近く毎年、胃がんで亡くなっている5万人という数が変わらないからです。胃がんの99%が、ピロリ菌が原因の“感染症”だと明らかになった以上、我が国の胃がん対策を根底から変えなければならない。それが世界標準なのです。

まずピロリ菌の感染を調べて、感染者には除菌治療をすることで胃がん予防を進める。日本は2013年からピロリ除菌治療が保険適用になり、年間150万人(推定)が治療を受けました。これで胃がんは大きく減っていくと考えます

筆者の母親も今年、ピロリ菌の除菌治療を受けた。

日ごろ、胃が痛いということはあまりなかったのだが、夜中に胃が痛むいうことがあり、かかりつけの医院で検査したところ、ピロリ菌が見つかった。

抗生物質の服用によって、無事に除菌ができた。保険が適用されるので、自己負担額もわずかである。

ABC検診(ピロリ菌とペプシノゲン値の血液検査)

ABC検診」とは、ヘリコバクターピロリIgG 抗体(Hp抗体)検査でピロリ菌感染の有無を、ペプシノゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度を調べ、その結果を組み合わせて胃がんのリスクをA,B,C,D の4群に分類する検査で、「胃がんリスク検診」とも呼ばれる。

一部の企業などが導入し、胃がんの早期発見数が激増するなど大きな成果をあげているとのこと。

胃がんの発見率がバリウム検診の4倍、コストは10分の1になる検診として、「NEWS ポストセブン」のサイトに興味深い記事があった。

同記事によると、ヘリコバクターピロリ(以下、ピロリ菌)と胃がんの関係性の研究で世界的に知られる消化器内科医の上村直実・国立国際医療センター国府台病院院長は、下記のように述べる。

胃がんの99%はピロリ菌による感染胃炎がベースです。だからピロリ菌に感染しているか否かが重要。今は血液検査でピロリ菌と胃粘膜の萎縮度(ペプシノゲン値)をチェックして、簡単に胃がんのリスクが分かりますそれを参考に内視鏡検査で早期発見すれば、胃がんで死なずに済む時代なのです

最初のスクリーニングは血液検査だけなので、検診を受ける側の負担も格段に少なくてすむ。

負担が少なければ、胃がん検診の受診率が上がって、そのことも早期発見と予防に貢献すると考える。

市区町村の検診でも、早く「ABC検診」を標準としてほしいものである。

↓記事拡散よろしくお願いします。^^↓editor
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